イノベーションへの解 第2章-2:最強の競合企業を打ち負かす方法

『イノベーションのジレンマ』では、イノベーションの状況に基づいて「持続的イノベーション」と「破壊的イノベーション」を特定した。企業が魅力ある顧客に高く売れる、より良い製品をつくることで競い合うという「持続的イノベーション」では、ほぼ必ず既存企業が勝つ。一方、新規顧客や魅力のない顧客群に安く売れる、シンプルで便利な製品を商品化することが課題となる「破壊的イノベーション」では、新規参入者が既存企業を負かす確率が高い。

成功した企業を頻繁に失敗させる状況は「破壊的イノベーション」のときである。新興企業が実績ある競合企業を攻撃するのではれば、破壊的戦略を取るとよい。

破壊的イノベーションに秘められた力は、マネージャーがアイデアを計画にまとめ実行するうちに「戦略」という形になってはじめて、十分に発揮される。新たな成長を生み出すことに成功した人たちは、破壊的戦略が競争で成功する確率を大いに高めることを、直観的にせよ意識的にせよ理解している。

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