イノベーションのジレンマ 第1章ポイント
ディスク・ドライブ業界を研究対象にした理由
- 技術、市場構造、全体規模、垂直統合が広範囲にわたって急速に進化し続けてきた歴史がある
- 業界の変化のサイクルが繰り返されてきた
優良企業の成功と失敗に共通する要因
- 顧客の声に鋭敏に耳を傾け、顧客の次世代の要望に応えるよう積極的に技術、製品、生産設備に投資すること
二種類の技術革新
- 持続的技術:性能の向上を持続する技術で、漸進的な改良から抜本的なイノベーションまで多岐にわたるもの
- 破壊的技術:性能の軌跡を破壊し、塗りかえる技術で、幾度となく業界の主力企業を失敗に導いくもの
二種類の企業
- 優良企業:技術革新以前に技術を発展させて実績を築いてきた企業
- 新規参入企業:技術革新の時点で業界に参入したばかりの企業
ディスク・ドライブ業界の研究から導出された仮説
- 破壊的イノベーション(破壊的技術からもたされるイノベーション)が業界のリーダー企業を失敗に追い込んだ要因である
ディスク・ドライブ業界の傾向
- 破壊的イノベーションは、技術的には簡単なものであった
- 持続的技術が、優良企業の失敗を早めたわけではなかった
- 破壊的技術を率先して開発し、採用してきたのは、いつも新規参入企業であった
優良企業が戦略的に極めて重要な技術革新を無視したり、新市場への参入が遅れた理由
- 優良企業は、あらゆる種類の持続的イノベーションに対して、積極的かつ革新的で、顧客の意見 に敏感な姿勢をとっていた
- 優良企業は顧客に束縛されていたため、破壊的技術が生み出す「新しい用途の市場」や「下位市場」へ柔軟に対応することができなかった
- 優良企業が出遅れるがゆえに、破壊的技術をいち早く取り入れた新規参入企業が既存のリーダーを追い落とすこととなった