イノベーションのジレンマ 序章ポイント
ディスク・ドライブ業界を調査・分析した理由
- 「新技術がどのような理由で、どのような場合に大企業を失敗に導くかを理解した上で、既存事業の短期的安定に適したことを行いながら、既存事業を衰退させる可能性をもつ破壊的技術にも十分な資源を割り当てるにはどうしたらよいか」について解き明かすため
- 「優良企業にきびしい局面が訪れる」という経験を何度も繰り返した業界であるため
破壊的イノベーション理論を構成する要因
- 「持続的技術」と「破壊的技術」の間には、戦略的に重要な違いがある
- 技術進歩のペースは、市場の需要が変化するペースを上回ることが多い
- 成功している企業の顧客構造と財務構造は、その企業がどのような投資を魅力的と考えるかに重大な影響を与える
二種類の技術革新(イノベーション)
- 持続的技術(持続的イノベーション):製品の性能を高める新技術。主要市場のメインの顧客が今まで評価してきた性能指標に従って、既存製品の性能を向上させる
- 破壊的技術(破壊的イノベーション):従来とはまったく異なる価値基準を市場にもたらす技術。短期的には製品の性能を引き下げる効果を持ち、従来とはまったく異なる価値基準を市場にもたらす。低価格、シンプル、小型で、使い勝手がよい場合が多く、主流から外れた少数の、大抵は新しい顧客に評価される
優良企業が破壊的イノベーションに投資しない理由
- 破壊的技術を採用した製品の方がシンプルで低価格、利益率も低い
- 破壊的技術が最初に商品化されるのは、一般に新しい市場や小規模な市場である
- 大手企業にとって最も収益性の高い顧客は、通常、初期にて破壊的技術を利用した製品を求めない
破壊的技術の五原則
- 原則1:企業は顧客と投資家に資源を依存している
- 原則2:小規模な市場では大企業の成長ニーズを解決できない
- 原則3:存在しない市場は分析できない
- 原則4:組織能力は「無能力」の決定的要因になる
- 原則5:技術の供給は市場の需要と等しいとは限らない
破壊的技術に向き合うポイント
- 新しい市場を検討し、新しい価値の定義のもとに注意深く開拓する
- 市場規模に合わせて、組織の規模と数字目標を慎重に検討する
- 市場独自の顧客ニーズに合わせて、新しい組織に新しい事業構築の任務を与える