イノベーションのジレンマ 第4章ポイント

非対照的な移動性

  • 企業が既存のバリュー・ネットワークの中で成功すると、市場規模が大きく利益率が高い上位市場を狙った高性能製品の開発に経営資源が配分されるようになる
  • 破壊的技術に遭遇した優良企業は、それに真っ向から対抗するのではなく、上位市場へと逃れる
  • 破壊的技術を商品化した新規参入企業は、製品の世代が新しくなるたびに、できるだけ上の市場に近づこうと努力し、ついには上位のバリュー・ネットワークにとって魅力的な性能に達するようになる
  • 破壊的技術が、優良企業にとって危険であり、新規参入企業にとって魅力的なのは「非対称的な移動性」があるからだ。

非対称的な移動性における問題

  • 上位市場へ行けば手っ取り早く成長と利益が手に入るが、下位市場から猛烈な攻撃が襲ってくる
  • 自己保身と会社の利益を考える優良企業のマネージャーは、確実に市場の需要があるプロジェクトを支援し、上層部の承認を得ようとするため、破壊的技術による攻撃に対抗できない
  • 優良企業は顧客のニーズだけでなく、自分たちが属するバリュー・ネットワークの財務構造や組織文化にも束縛されている

下位のバリュー・ネットワークに新規参入企業のチャンスが生まれる原因

  1. 上位市場の利益率が魅力的である
  2. 顧客の多くが同じくして上位市場へ移行する
  3. 下位市場で利益をあげるためにコストを削減するのが難しい

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