イノベーションへの解 第9章-2:良い資金もあれば、悪い資金もある
事業の創生期に最も過した資金は「成長は気長に待つが、利益は気短に急かす」タイプの資金である。一方「成長は気短に急かすが、利益は気長に待つ」タイプの資金が初期段階に投資されると、イノベーターに「死の行進」を運命付ける可能性が高い。
新成長事業に適した資金と適さない資金に関する理論の中では、「ベンチャー投資資金か、企業資金か」「公的資本か、民間資本か」「親族・知人からの借り入れか、金融機関からの融資か」という属性ベースの区分(属性に基づく理論)が一般的だろう。これらの分類は、どの資金が新事業の成功に最も役立つかを予測するための基準にはならない。
無消費に対抗し、破壊的イノベーションを通じて上位市場に移行するためには、新成長事業のための資金が成長を気長に待たねばならない。これは新成長戦略において極めて重要な要素である。そして、新事業のための必勝戦略(意図的戦略)が明らかになった後には、成長を気短に急かす資金を用いなければならない。