イノベーションのジレンマ 第6章ポイント

破壊的イノベーションの実現において認識すべきこと

  • 破壊的イノベーションに対応するのは、持続的技術のとき以上にリーダーシップが重要である
  • 破壊的イノベーションに直面した経営者は、誰よりも早く破壊的技術を商品化する必要がある
  • 既存の市場に参入して熾烈な競争に会うよりも、新しい市場を開拓した方が、リスクが低く見返りが大きい
  • 破壊的技術を開発するプロジェクトは、対象とする市場に見合った規模の組織に組み込む必要がある
  • 小規模な新しい市場では、大企業における短期的な成長と利益ニーズを満たせない

破壊的イノベーションを実現する手段

  • 破壊的技術の商品化を目的とするプロジェクトを、小規模な市場に見合った小規模な組織に組み込み、企業が成長してもこのような慣行を繰り返す

破壊的技術ではリーダーシップが極めて重要である理由

  • ディスク・ドライブ業界では・・・
    • 破壊的技術が現れてから2年以内に、新しいバリュー・ネットワークに参入した企業は、それ以降に参入した企業に比較して、成功率が6倍であった
    • ディスク・ドライブ業界では、小規模な新しい市場への参入によって成長を求める企業は、大規模な市場で成長を求める企業の20倍の売上を計上していた

ディスク・ドライブ業界の研究から明らかになったこと

  • 破壊的技術をリードした企業は、“熾烈な競争にある既存市場へ参入する” という「競争リスク」を避ける代わりに、“破壊的技術の新しい市場が発展せずに終わるかもしれない” という「市場リスク」を引き受けた
  • 重要なのはどのような組織形態で取り組んだのではなく、破壊的製品の発売とその販売対象となる市場の開拓をリードしたかどうかである
  • 「画期的だが、実質的には持続的な性質を持つ技術を商品化するために設立された新企業」は「実証された技術を使い、簡単で便利な信頼性の高い製品を持ち込み、確立された業界を覆そうとする新企業」よりも成功の確率がはるかに低い
  • 優良企業は、画期的な持続的技術を使って上昇することに対する志向は強いが、破壊的技術を採用することに対しては抑制する志向が強い
  • 優良企業はさまざまな制約を受けることから、魅力のないほどの小規模であるうちに、破壊的技術が生み出す新しい新市場へ参入することは極めて重要となる

破壊的技術に直面したときの小規模市場への向き合い方

  1. 新しい市場の成長率を押し上げる
    • 小規模な市場では、優良企業の短期的な成長需要を満たすことはできない
    • 新しい市場が優良企業の増収増益に影響を与えるよう、短期間で市場の成長率を高める必要がある
  2. 市場がうまみのある規模に拡大するまで待つ
    • 新しい市場を開拓する企業は、後発参入の企業では真似のできない、市場の需要に適した能力を身につけることが多い
    • 市場がうまみのある規模に拡大してから市場に参入すると、裏目に出ることがある
  3. 小規模な組織に小さなチャンスを与える
    • 優良企業は、初期の破壊的技術によって生じるチャンスに見合う小規模な組織に、プロジェクトを任せる方がよい
    • 確立した組織をスピンアウトさせるか、破壊敵技術に取り組む小規模な企業を買収すればよい

ディスク・ドライブ業界の破壊的イノベーションにおける発見

  • 破壊的技術が最初に使われる新しい市場に早い時期に参入すると、莫大な収益と、先駆者ならではの優位が得られる
  • 破壊的技術によって初めて誕生する市場は、すべて小規模な市場として始まる
  • 市場を開拓する企業は、小規模でも利益を得られるコスト構造を構築する必要がある
  • イノベーションにおいては、規模を小さく抑え、独立性を保つことが優位につながる
  • 破壊的イノベーションを商品化するプロジェクトは、成長と成功への重要な過程と捉えるとよい

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