イノベーションのジレンマ 第8章-12:組織にできること、できないことを評価する方法
図8-1のA~Dエリアは、プロジェクトに必要なプロセスと価値基準に合わせて、どのようなチームを構成すればよいのかを表したものである。
図8-1. イノベーションの条件と組織の能力の適合性
<Aエリア : 持続的技術 × 新しいプロセス × 重量級チーム>
- プロジェクトが組織の価値基準に適合する、持続的な技術の変化に直面している状況である。
- これまでとは解決すべき問題の種類が異なるため、グループや個人の間で新しい種類の反復作業や協調が必要になる。
- 新しい仕事に取り組むには重量級チームが必要だが、プロジェクト自体は主流企業の内部で遂行できる。
<Bエリア : 持続的技術 × 従来のプロセス × 軽量級チーム/機能的組織>
- 組織の既存のプロセスや価値基準に適合するプロジェクトが該当する。
- 軽量級チームや機能的組織で成功できる。
- 主流組織の中で、機能分野の境界を超えてチーム間の協調が求められる。
<Cエリア : 破壊的技術 × 新しいプロセス × 重量級チーム>
- 組織の既存のプロセスや価値基準とは相容れない、破壊的な技術の変化に直面している状況である。
- 自律的な組織を新設し、重量級チームに開発への取り組みを任せる必要がある。
<Dエリア : 破壊的技術 × 従来のプロセス × 軽量級チーム/機能的組織>
- 主流組織と同等の商品やサービスを、はるかに間接費の低い事業モデルによって販売する必要があるようなプロジェクトが該当する。
- 既存の能力を生かすには、軽量級チームや機能的組織が適している。