イノベーションへの解 第6章-3:コモディティ化をいかにして回避するか

コモディティ化のプロセスは、次のステップで進む。

  1. 新しい市場が生まれると、ある企業が、十分ではないが競合製品に比べれば願容のニーズに近い、独自製品を開発する。企業は独自アーキテクチャを通じて製品を生み出すため、魅力的な利益を得る。
  2. 企業は直接の競争相手より優位に立とうと奮闘するうちに、やがて市場の低位層の顧客が利用できる機能性と信頼性を追い抜いてしまう。
  3. この階層の競争基盤の変化が促される。
  4. モジュール型アーキテクチャへの進化が促される。
  5. 産業の非統合化が進む。
  6. 誰もが同じ部品を入手でき、同じ基準に基づいてそれを組み立てるようになるため、製品の性能やコスト面で競合企業との差別化を図ることが極めて困難になる。
  7. 機能面でのオーバーシューティングが市場の底辺から始まり、上方に移って高位層を襲う。

オーバーシューティング(十分以上に良い状況)に陥る企業は、破壊によってシェアを奪われるか、コモディティ化を通じて利益を奪い取られてしまう。オーバーシューティングにおいては、将来の魅力ある利益がバリューチェーンの別の場所、つまり別の段階や階層で生み出されることが多い。それはコモディティ化のプロセスが、脱コモディティ化という補完的なプロセスを引き起こすからである。

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