イノベーションのジレンマ 第1章概要
定義
持続的技術
性能の向上を持続する技術で、漸進的な改良から抜本的なイノベーションまで多岐にわたるもの
破壊的技術
性能の軌跡を破壊し、塗りかえる技術で、幾度となく業界の主力企業を失敗に導いくもの
定義
優良企業
技術革新以前に技術を発展させて実績を築いてきた企業
新規参入企業
技術革新の時点で業界に参入したばかりの企業
仮説
破壊的イノベーション(破壊的技術からもたされるイノベーション)こそが業界のリーダー企業を失敗に追い込んだ要因である
破壊的イノベーションの特性
破壊的イノベーションは技術的には単純で、既製の部品を使い、アーキテクチャーも従来のものより単純な場合がある。
確立された市場では、破壊的技術は顧客の要望に応えるものではないため、初期段階ではほとんど採用されない。
破壊的技術は、主流からかけ離れた、とるに足りない新しい市場でしか評価されない。
破壊的技術によって新しい用途の市場が生まれるとしても、その技術を導入したからといって既存製品の売上が侵食されるとは限らない。
優良企業が、破壊的技術による新しい用途が商業的に成熟するまで待った上で、自分たちの市場への攻勢をかわすためだけにその技術を導入すると、既存製品の売上が浸食されてしまう。
優良企業が戦略的に極めて重要な技術革新を無視したり、新市場への参入が遅れたのはなぜか?
優良企業は、あらゆる種類の持続的イノベーションに対して、積極的かつ革新的で、顧客の意見に敏感な姿勢をとっていた。
優良企業は顧客に束縛されていたため、破壊的技術が生み出す「新しい用途の市場」や「下位市場」へ柔軟に対応することができなかった。
優良企業が出遅れるがゆえに、破壊的技術をいち早く取り入れた新規参入企業が既存のリーダーを追い落とすこととなった。