イノベーションのジレンマ 第5章-2:破壊的技術はそれを求める顧客を持つ組織に任せる

優良企業の経営者は、組織の性質に関する5つの基本原則を常に意識する。

  1. 優良企業の資源配分のパターンは、実質的に顧客が支配している(資源依存理論)。
  2. 小規模な市場は、大企業の成長需要を満たさない。
  3. 破壊的技術の最終的な用途は事前にはわからない。
  4. 組織の能力は、組織内で働く「人材の能力」とは関係がなく、むしろその「プロセス」と「価値基準」にある。現在の事業モデルの核となる能力を生みだすプロセスと価値基準が、実は破壊的技術に直面したときに、無能力の決定的要因になる。
  5. 技術の供給が市場の需要と一致しない確立された市場において評価されない「破壊的技術の特徴」が、新しい市場で大きな価値を生むことがある。

この5つの基本原則に従うか、無視するかによって企業の明暗が分かれる。第5章からは、経営者が上記の原則を理解し、利用するにはどうすればよいかについて詳しく述べる。

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