イノベーションのジレンマ 第4章概要
非対称的な移動性(上位市場の移動性と下位市場への非移動性)
破壊的技術に遭遇した優良企業は、それに真っ向から対抗するのではなく、上位市場へと逃れる。
他方、破壊的技術を商品化した新規参入企業は、製品の世代が新しくなるたびに、できるだけ上の市場に近づこうと努力し、ついには上位のバリュー・ネットワークにとって魅力的な性能に達するようになる。
破壊的技術が、優良企業にとって危険であり、新規参入企業にとって魅力的なのは、この「非対称的な移動性」があるからだ。
優良企業が抱える問題
非対称的な移動性には「上へ登れば手っ取り早く成長と利益が手に入るが、下から猛烈な攻撃が襲ってくる」という問題がある。
下位のバリュー・ネットワークに空白が生まれ、競争に強い技術とコスト構造を備えた新規参入企業がそこへ引き寄せられる。
下位市場への移動の障害
上位市場の利益率が魅力的である
顧客の多くが同じくして上位市場へ移行する
下位市場で利益をあげるためにコストを削減するのが難しい
下位のバリュー・ネットワークに空白が生まれ、競争に強い技術とコスト構造を備えた新規参入企業がそこへ引き寄せられる。