イノベーションへの解 第3章-2:顧客が求める製品とは

顧客(個人や企業)の生活にはさまざまな「用事」が頻繁に発生し、彼らはとにかくそれを片づけなければならない。顧客は用事を片づけなければならないことに気付くと、その用事を片づけるために「雇える」製品やサービスがないかを探し回る。

顧客の思考プロセスには、まず何かを片づけなくてはという認識が生じ、次に彼らはその用事をできるだけ効果的に、手軽に、そして安くこなせる物または人を雇おうとする。顧客が片づけようとする用事や、その用事を通じて達成しようとする成果が、状況ベースの市場区分を構成する。製品のターゲットを顧客そのものではなく、顧客が置かれている状況に絞れば、狙い通り成功する製品を市場に展開することができる。

「製品がどのような用事をするために雇われているか」を理解し「うまく片づけられずにいる用事にはどのようなものがあるか」を知ることができれば、イノベーターは、顧客視点から見た真の競争相手を打ち負かすためのロードマップを手に入れることができる。そして、顧客が抱える用事のあらゆる側面に向けて製品を改良することができる。

関連コンテンツ